就職や転職において、離職率は大切な指標だ。厚生労働省が新卒についてのデータを公表していて、1年から3年の間に、新卒者がどれほどやめたかを知ることができる。学歴が高く、事業所の規模が大きいほど低い傾向だ。
宿泊業や飲食サービス業が一番高い業界で、大卒者3年内でも約50%を越えている。個別の企業も公開している企業が多いので、事前に知ることができるならば、把握するべきである。
離職率と平均勤続年数を見ることで、企業の社員の分布を予測することができる。設立から時間がたっているにも関わらず、社員が新人に偏っていると思われる企業は問題がある可能性が高い企業だろう。高い離職率によってベテラン社員が生まれなくなり、業績を伸ばせず、その結果社員への負担が高まり離職が増えるという悪循環が生まれているかもしれない。
しかし、高いからといって、ただちに諦めるべきとは限らない。企業研究や支店訪問などを通じ、自分が働きたいと思った場合は、高い企業でも働くことを選択するのもいいだろう。また、低いことが良い企業の証であるとは限らず、人材が入れ替わらないことで、内部が硬直化するといった弊害も存在する。転職が推奨されている業界では、高くなる傾向があるので、業界ごとの事情も把握しておくべきである。
大切なことは高くなった理由を突き止め、その理由と自分を比較して、自分がその会社でやっていけるのかどうかを考えることだ。その点を考えれば、入社後の後悔を減らすことができるだろう。