離職率の調べ方について

実際に離職率の調べ方はいくつか存在する。その1つが上場企業に関する財務や業績のデータを網羅している四季報であり、従業員数の変化を通して間接的に離職率を推測することが可能だ。四季報に記載された前年比の従業員数の増減を分析することで、企業の離職状況に関する貴重な洞察を得られる。
企業の公式HPや求人情報をチェックするのも、手段としてある。多くの企業では、自社HP新たに募集している職種やその数を公開している。これらの情報からも、企業が直面している人手不足の度合いや、離職が多い職種をある程度推測できるのだ。
ソーシャルメディアや口コミサイトを使うのも良いだろう。従業員や元従業員が自分の就業経験について投稿しているので、離職率の高さや職場環境に関する実態を掴める。企業文化や労働条件に関する否定的なコメントは、離職率の高さを示唆するサインとなり得るだろう。
労働関係の公的機関や業界団体から提供される、統計データを参照することも有効である。業界全体や特定の職種における平均的な離職率を定期的に公表しており、特定企業の離職率が業界平均と比べてどの程度であるかを把握する手がかりを提供してくれる。
企業に直接問い合わせる手段も考えられるだろう。特に中小企業や非上場企業の場合、公開される情報が限られているため、直接人事部門などにコンタクトを取って雇用状況や離職率を尋ねるのは有効な戦略だ。ただし、企業によっては情報提供していないこともあり、この方法が常に有効とは限らないのが実情と言える。